ベガルタ、昇格争い残った…Ｊ２第４３節

◆Ｊ２第４３節　水戸０―１仙台（３０日・ひたちなか市綜合運動公園陸上競技場）　ベガルタ仙台はアウェーで水戸と対戦。１―０で下し、３試合ぶりの白星を挙げた。前半３４分、ＭＦ千葉直樹（３０）が不可解な判定で２度目の警告を受けて退場するなど不利な状況に追い込まれたが、後半１０分にＭＦ梁勇基（２５）がカウンターから起死回生の決勝ゴール。順位は４位と変わらないものの、勝ち点を６９に伸ばし、２位の東京Ｖに２、３位の京都に１差。Ｊ１昇格争いに踏みとどまっている。

　Ｊ１昇格へ黄信号がともりかけていたベガルタを「仲良しホットライン」が救った。後半１０分。パスを受けたＦＷ萬代が胸でトラップすると、梁が猛然と走り込んだ。「流せ！」ゴールに背を向けていた萬代は、とっさに反応して強引に縦パス。梁は相手ＧＫの脇を抜き、ゴールに流し込んだ。「勝ち点３が取れてよかった」両手を振り上げてサポーターをあおり、喜びを爆発させた。

　２３日の草津戦を１―１で引き分け、２６日の愛媛戦は相手が退場者を出しながらも０―１で敗れた。この試合でも前半３４分に千葉が退場。そんな悪い流れを選手はハーフタイムで断ち切った。「愛媛に出来たことが、自分たちに出来ないわけがない」と自然と声が上がった。「愛媛戦の借りを返すにはいい機会。ここから頑張ろう」目の前の苦境を脱することだけに集中した。「選手の頑張りがすべてだった」望月達也監督（４４）は逆境を乗り越えたイレブンをほめたたえた。

　そして、梁と萬代がチームを救った。年齢こそ違うが０４年入団の同期。試合前には必ずお決まりの店で決起集会を開く仲良しコンビだ。「見えてなかったけど、声が聞こえたのでパスを出した。梁さんならこの辺に走っているかなと…」と萬代。梁も「ちょうど欲しいところに来た」と感謝した。２人にしか出来ない値千金の決勝ゴール。「仲良しホットライン？　４年目にしてやっとつながったよ」冗談交じりに話す梁の顔は、いつになく明るかった。

　首位・札幌が東京Ｖに敗れ、Ｊ１昇格争いはますます混戦模様。２位東京Ｖから４位仙台まで勝ち点差は２。梁は「上も詰まってきてるし、まだ僕らにもチャンスがある。残り８試合を全力で戦いたい」と力を込める。勝負は、ここからだ。

　◆プレゼント　１０日のベガルタ仙台―モンテディオ山形戦（午後７時、ユアスタ）のＳ指定席ペアチケットを１組に。希望者は官製はがきに〒住所、氏名、年齢、電話番号を明記の上、〒９８０―００２１　仙台市青葉区中央２の３の６　読売仙台ビル内　報知新聞社東北支局「山形戦チケット」係まで。１０月５日必着。

参照元：スポーツ報知