Ｇ大阪・播戸、代表復帰祝い弾…ナビスコ杯準決勝第２戦

◆Ｊリーグ　ヤマザキナビスコ・カップ準決勝第２戦　鹿島３―２Ｇ大阪 （１３日・カシマ）　決勝は川崎対Ｇ大阪―。７月のアジア杯合宿以来の日本代表復帰となったＧ大阪のＦＷ播戸竜二（２７）が“復帰御礼弾”を決めた。鹿島に２―３と敗れた（第１戦は１―０）が、アウェーゴール数の差で勝ち、２年ぶり２度目のファイナル進出を決めた。第１戦２―１で勝っている川崎は横浜Ｍを４―２で下し、７年ぶり２度目の決勝進出を決めた。前半７分に先制されたが、その後ＦＷ鄭大世（２３）のゴールなどで３点を奪い逆転した。決勝は１１月３日に国立競技場で行われる。

　２点差負けなら敗退が決まる状況で、日本代表に返り咲いた闘魂ＦＷ播戸の一撃が流れを変えた。スキンヘッド・シジクレイが続き、アウェーでもぎとった千金の２点。試合には敗れたがアウェーゴール数で上回ったＧ大阪が、２年ぶりの決勝の舞台に駒を進めた。

　「まず１点取ろうっていうのがあった。決めれば何か変わると思ってた」後半４分、ＦＷ前田がヒールで流したボールを、播戸が左足で決めた。２分後再び１―３と２点差にされたが、後半２１分にＣＫからＤＦシジクレイ（３５）が頭で“決勝点”。「（突き放されて）一瞬気持ちが冷めたが、もう一度奮起した」と胸を張った。

　左太もも肉離れのＦＷバレー、ＭＦ家長、ＤＦ安田のＵ―２２代表コンビを欠き戦力が整わない難局を救ったのは、国籍を超えた信頼関係で結ばれた２人だった。かつてともに神戸でプレーしたスキンヘッドの助っ人と、闘魂ＦＷは普段から日本語でコミュニケーションをとる仲だ。シジクレイの誕生日の５月１３日には、播戸が助っ人が大好きなスカイブルーのＴシャツを贈った。「シジはファンには丁寧やし、感覚は日本人や。見習うところが多いし尊敬してるねん」誕生会ではブラジル名物・シュラスコをともにつついた。最前線と最終ラインを担う２人に新たなきずなが生まれた。

　故障明けのＦＷマグノ・アウベスも投入する総力戦で乗り切りファイナルへ。２年前はＰＫ戦の末、栄冠を逃した。「あの悔しさは今も手に残ってる」と西野朗監督（５２）。対エジプト戦の代表に最多４選手を送り込むＧ大阪。あの時の“忘れ物”を取り戻しに国立の舞台へ乗り込む。

参照元：スポーツ報知